
院長:佐藤お気軽にご相談ください!
突然ですが、こんな経験はありませんか。何気なく腕を上げようとしたとき、ズキッと鋭い痛みが肩に走った。着替えのときに腕が思うように動かない。夜中に肩の痛みで目が覚めてしまう。もしそんな症状が続いているなら、それは五十肩かもしれません。


「そのうち治るだろう」と放っておく方も多いのですが、実は対処の仕方を間違えると、症状が長引いたり悪化したりすることもあるんです。この記事では、五十肩が起こるしくみから、今日からできるセルフケアの方法、そして「なかなか治らない」と感じたときに知っておいてほしいことまで、丁寧にお伝えしていきます。


五十肩は「ほっておけば治る」と言われることもありますが、長年の臨床経験から言わせてもらうと、正しい対処をしないまま過ごすと回復までの時間が大幅に延びてしまうケースが少なくありません。焦らなくていいけれど、正しい知識は持っておいてほしい
五十肩という言葉はよく耳にするけれど、実際に何が起きているのかをご存知でしょうか。正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれるこの状態は、肩関節をとりまく腱や関節包といった組織に炎症が起き、痛みや動きの制限があらわれるものです。50歳前後に多く見られることからこの名がついていますが、40代から発症する方もいますし、60代以降に初めて経験する方もいます。
日本国内で数百万人が経験しているとも言われています。決して珍しいことではないのですが、その分「よくあること」と軽く扱われてしまうことも多いのが現実です。
次のような症状に心当たりがある方は、肩関節の周囲に何らかの異変が起きている可能性があります。自分の状態を確認してみてください。
これらのうちひとつでも当てはまるようであれば、この記事を最後まで読んでみてください。きっとお役に立てることがあると思います。
五十肩の原因はひとつではありません。年齢による関節や腱の変化、長年の姿勢のクセ、血行の悪さ、繰り返しの動作による摩耗など、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。「特に何もしていないのに突然痛くなった」という方も多いのですが、実はそれ以前から少しずつ積み重なってきたものが、あるとき限界を超えて症状としてあらわれることがほとんどです。
姿勢の問題もよく見られる原因のひとつです。長年のデスクワークやスマートフォンの使いすぎで、肩や背中が丸まった状態が続くと、肩関節にかかる負担が増えていきます。また、冷えや血行不良が組織の回復力を低下させ、炎症が長引く一因になることもあります。
大切なのは、自分の五十肩がどの原因によるものなのかを正確に把握することです。原因によって有効な対処法も変わりますし、的外れなケアをしていると回復が遠回りになってしまいます。
五十肩は発症からの経過によって状態が変化します。大きく分けると「炎症期」「拘縮期」「回復期」の3段階があり、それぞれの時期によって正しい対処法がまったく異なります。この段階を無視したケアをすると、よかれと思ってやったことが逆効果になることもあるんです。
動かしても動かさなくても痛い、夜中に痛みで目が覚める、というのがこの時期の特徴です。肩の周囲でしっかり炎症が起きているので、この時期に無理に動かしたり強くもんだりするのは逆効果です。炎症期は「安静を保ちつつ、できる範囲でそっと動かす」が基本で、強い刺激は厳禁です。温めるのも慎重に。熱を持っているときは逆に炎症を広げてしまうことがあります。
痛みのピークは過ぎてきたけれど、今度は肩がガチガチに固まって動かしにくくなる時期です。「少し楽になったと思ったら、今度は動かない」という状態がこれにあたります。この時期は温めながら、無理のない範囲でゆっくりと動かすことが回復の鍵になります。ただし、痛みを我慢してグイグイと動かすのは禁物です。
少しずつ肩が動くようになり、痛みも軽減してくる時期です。ここで焦って運動量を増やしすぎると、また炎症を引き起こすことがあります。回復期こそ丁寧なストレッチと日常動作の見直しが大切で、ここをしっかり乗り越えることで完全な回復につながります。
五十肩の回復を早めるために、日常生活の中でできることがあります。ただし、前述のとおり時期によって適切なケアが違いますので、今自分がどの段階にあるかを意識しながら取り入れてみてください。
痛みが強い炎症期でも比較的行いやすいのがこの運動です。椅子や机に痛くないほうの手をついて前傾姿勢をとり、痛い側の腕をだらんと垂らします。その腕を小さな円を描くようにゆっくりと揺らすだけです。重力を利用して関節にかかる負担を減らしながら、少しずつ動きを取り戻せる方法として広く知られています。
拘縮期以降に有効です。タオルを縦に持ち、痛くないほうの手を上にして背中側に回します。上の手でゆっくりとタオルを引き上げることで、痛い側の肩が少しずつ後ろに動くよう誘導します。痛みを感じる手前でキープする、というのがポイントです。無理に動かすと逆効果になるので、「ちょっと張るくらい」で止めておくのが正解です。
「肩が痛いから温めよう」と思いがちですが、炎症が強い時期に温めると症状が悪化することがあります。患部が熱を持っていたり、触ると熱く感じる場合は冷やすほうが適切です。逆に炎症が落ち着いてきたら、入浴や温湿布で血行を促すことが回復を助けます。温めるか冷やすかは、今の症状の段階を見極めてから判断することが重要です。
良かれと思ってやっていることが、実は回復の邪魔をしていることがあります。次のようなことには注意してください。
特に「頑張れば治る」という思い込みで無理をしてしまうのは要注意です。五十肩の回復には適切な刺激と十分な休息のバランスが欠かせません。
これはとても気になるところだと思います。正直にお伝えすると、個人差が大きく、数ヶ月で改善する方もいれば、1年以上かかる方もいます。ただし、適切なケアをしているかどうかで回復のスピードは大きく変わります。
「五十肩は放っておいても自然に治る」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。たしかに時間をかければ症状が落ち着いてくることはあります。しかし、その間ずっと日常生活に支障が出る状態を続けることが本当にいいことなのかというと、そうは思いません。早く動ける体に戻すために、正しいアプローチを取っていただきたいのです。
| 段階 | おおよその期間 | 主な状態 |
|---|---|---|
| 炎症期 | 発症〜1〜2ヶ月 | 安静時や夜間も痛みが強い |
| 拘縮期 | 1ヶ月〜半年以上 | 痛みは落ち着くが動きが制限される |
| 回復期 | 数ヶ月〜1年以上 | 可動域が徐々に戻り日常動作が楽になる |
「どこに相談すれば正解なのか分からない」という声もよく聞きます。痛みがひどいとき、まず整形外科を受診するのは正しい選択のひとつです。骨や関節の状態をレントゲンや検査で確認できますし、炎症が強い時期は薬や注射が有効な場合もあります。ただし、薬で痛みを抑えることと、肩の動きを根本から取り戻すことはイコールではありません。
整体や接骨院を選ぶ際には、施術者の経験や検査の丁寧さをしっかり確認することをおすすめします。「とりあえずほぐす」だけの施術では、表面上は楽になっても根本的な原因が残ってしまいます。
当院では、姿勢分析・関節可動域の測定・整形外科的検査の3種類の独自検査で、その方の肩に何が起きているのかを徹底的に調べます。どの組織に問題があって、どの動きが制限されていて、日常生活のどんなクセが影響しているのかを明らかにしてから施術に入ります。
「他院でなかなか改善しなかった」という方が当院を訪ねてこられることも少なくありません。そういった方のお話を聞くと、原因の特定が不十分なままでの施術が続いていたというケースが多いです。五十肩は「なぜそうなっているのか」を丁寧に調べることが、回復への一番の近道なのです。
肩こりは主に筋肉の緊張による症状で、もんだり温めたりすることで楽になることが多いです。一方で五十肩は、関節そのものや周囲の組織に炎症や拘縮が起きているため、腕を特定の方向に動かしたときに強い痛みが出たり、動きの範囲そのものが制限されたりするのが特徴です。
痛みを一時的に和らげる手段としては有効です。ただし、痛み止めで痛みを感じなくなったからといって回復したわけではありません。痛みは「そこに無理な負担をかけないで」という体のサインでもあるため、薬だけに頼り続けることには注意が必要です。
炎症が強い時期には、ステロイドやヒアルロン酸の注射が有効なことがあります。ただし注射は痛みを和らげるためのものであり、それによって関節の拘縮が解消されるわけではありません。注射で楽になった後に、適切なリハビリや施術を続けることが重要です。
痛い側の肩を下にして寝ると、関節に圧がかかって夜間の痛みが増すことがあります。患側を上にするか、仰向けで痛い側の肩甲骨の下にタオルを入れて少し高さを作ってあげると楽になるという方もいます。自分に合った楽な体勢を探してみてください。
施術の合間の過ごし方も、回復のスピードに影響します。肩に過度な負担をかけない工夫を日常の中に取り入れていきましょう。たとえば、着替えの際はまず痛い側の腕から袖を通す「患側から」の順番を意識するだけで、肩への負担がぐっと減ります。重い荷物を肩にかけることも、当面は避けた方が無難です。
睡眠の質も回復を左右します。夜間の痛みで眠れないと体全体の回復力が下がってしまいます。寝方の工夫で少しでも痛みを和らげることが、体力の回復にもつながります。焦らず、毎日の小さな積み重ねが大切です。
セルフケアを続けてはいるけれど、なかなか改善しない。または、次のような状態が続いているようであれば、早めに専門家の目で診てもらうことをおすすめします。
こうした状態が続いているということは、身体の中で何らかの原因が解決されていない可能性があります。時間が経てば自然に治ることを期待して待ち続けるより、今の状態を正確に把握して適切な対処をとることで、回復への道が開けることが多いのです。
私自身、柔道整復師として30年以上、多くの方の肩の悩みに向き合ってきました。五十肩でお悩みの方が「あのときもっと早く来ればよかった」とおっしゃるのを何度も聞いてきた経験から、どうか一人で抱え込まないでほしいと心から思っています。洗濯物が干せない、好きなゴルフができない、夜眠れない、そんな当たり前の日常を取り戻すために、私たちができることは必ずあります。少しでも気になることがあれば、どうぞ気軽に声をかけてください。


遠方にお住まいで、当院への来院が難しい方へ
当院は富山県高岡市にある治療院です。
遠方にお住まいで継続した来院が難しい方に向けて、
ご自宅でできる姿勢ケアや睡眠環境の見直しについてまとめています。