
院長:佐藤お気軽にご相談ください!

院長:佐藤お気軽にご相談ください!
投球するたびに肩が痛くて、思い切りボールを投げられない。そんな悩みを抱えながら練習を続けているあなたに、ぜひ読んでほしい内容をまとめました。


「ストレッチはしているのに、なかなか良くならない」という声は、当院にも多く届いています。野球肩でお困りの方に共通しているのが、肩甲骨の動きの悪さです。今回はその関係性と、自分でできるケアの方法についてお話しします。


野球肩に悩む選手を長年診てきた経験から言うと、肩だけを見ていても根本的には良くなりません。肩甲骨の可動域という視点を持つだけで、改善のスピードがまったく変わってくるんです
「肩が痛い=肩の問題」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。投球動作というのは、指先からかかとまで全身を連動させて行う複雑な運動です。そのなかで肩甲骨は、腕と体幹をつなぐ「橋渡し役」として非常に重要な働きをしています。
肩甲骨がスムーズに動かないと、肩関節だけで腕の動きを補おうとするため、局所への負担が一気に増してしまいます。これが繰り返されることで、腱や関節まわりの組織が少しずつダメージを受け、痛みとして現れてくるのです。
ボールを投げる瞬間、腕が後ろに引かれてから前に振り出されるまでの動き(コッキングからリリース)において、肩甲骨は上方回旋・後傾・外旋という複雑な動きをします。この動きが十分に出ないと、肩関節が本来の位置からずれやすくなり、腱板や関節唇に対して余計なストレスがかかり続ける状態になります。
「なんとなく肩がひっかかる感じがする」「投げた翌日になると腕が上がりにくい」という症状がある方は、すでにこの状態が起きているかもしれません。ぜひ一度、自分の肩甲骨の動きを確認してみてください。
ストレッチをただ「こなす」のと、目的を理解してやるのとでは、効果がまるで違います。ここでは、なぜそのストレッチが必要なのかという視点と合わせてご紹介します。なお、急性期で炎症が強い場合には、ストレッチよりもまず安静と適切な処置が優先されますので、痛みが強いときは無理をしないでください。
肩甲骨まわりには、僧帽筋・菱形筋・前鋸筋・小胸筋など多くの筋肉が複雑に絡み合っています。これらのどこかが硬くなったり緊張が続いたりすることで、肩甲骨の動きが制限されます。ストレッチの目的は「筋肉をただ伸ばすこと」ではなく、肩甲骨が本来あるべき位置と動きを取り戻すことです。
次に紹介する3つは、野球選手の肩甲骨まわりの柔軟性を高めるために有効とされているものです。それぞれ1日1〜2セットを目安に、呼吸を止めずにゆっくりと行ってください。
投球側の腕を体の前で水平に伸ばし、反対の腕で肘をゆっくりと体に引き寄せます。肩の後ろ側に伸び感が出たところで20〜30秒キープします。これは野球肩のある選手に特に硬くなりやすい後方関節包をほぐすのに効果的です。(腕を少し上げた状態や少し下げた状態でもやってみてください。伸びるところが少し違ってきます)1セット3〜5回を目安に行ってください。
壁や柱のそばに立ち、肘を90度に曲げた状態で前腕を壁に当て、体をゆっくり前方へ押し出すように胸を開きます。肩甲骨が前方に巻き込まれた状態(いわゆる巻き肩)が強い選手に特に効果があります。痛みが出ない角度で15〜20秒キープし、左右ともに行ってください。
床に横向きに寝て膝を90度に曲げた状態で、上体をゆっくりと後方へひねります。胸椎(背中の真ん中あたり)の動きが改善されると、肩甲骨の連動性も高まります。肩甲骨まわりの筋肉は、胸椎の動きと密接に関係しているため、見落とされがちですが非常に重要なアプローチです。
「毎日ストレッチをしているのに一向に良くならない」という方の話を聞くと、ある共通点が見えてきます。それは、原因が肩甲骨の柔軟性だけでなく、身体全体のバランスや投球動作のクセにあるということです。
ストレッチはあくまで「入口」にすぎません。硬くなっている筋肉をほぐすことは大切ですが、なぜその筋肉が硬くなったのかという根本の原因が取り除かれなければ、繰り返し同じ症状が出てきます。
「休めば治る」「痛み止めを飲んで乗り切る」「もう少し我慢すれば大丈夫」という考え方は、野球肩の改善においては危険な判断になりがちです。痛みがなくなったように感じても、組織のダメージが残ったままで投球を再開すれば、より深刻な状態に進むことがあります。
「痛みがない=治った」ではないという視点を、ぜひ持っていただきたいと思います。特に成長期の選手は注意が必要で、骨端線(成長軟骨)への負担は見た目の痛みと症状が一致しないことも多いのです。
投球動作というのは、足首・膝・股関節・体幹・肩甲骨・肩・肘・手首という連鎖の中で成り立っています。下半身の硬さや体幹の不安定性があると、その分のしわ寄せが肩にいきます。「肩の治療をしているのになぜ治らないのか」と感じている方の多くは、この連鎖の中のどこかに見落とされた原因があることが少なくありません。
当院に来院される野球肩の方には、まずしっかりとした検査をお受けいただいています。どこに、どんな原因があって、どのような状態になっているかを正確に把握することが、改善への最短ルートになるからです。
「なんとなくほぐしてもらったら楽になった」という経験がある方もいるかもしれません。しかし、一時的に楽になっても根本原因が解消されていなければ、また同じ状態に戻るのは時間の問題です。原因を取り違えたまま施術を続けることは、改善どころか悪化につながるリスクもあります。
姿勢分析・関節可動域の評価・整形外科的検査という3つのアプローチで、あなたの肩甲骨と肩関節の状態を詳しく調べます。その結果をもとに、どこに問題があるのかを数値と根拠を示しながらお伝えします。「なぜこうなったのか」が分かると、日常のセルフケアも格段に変わってきます。
以下に、来院された方からよく聞かれる質問と、その考え方をまとめました。
「休みたいけど休めない」「大会が近いから何とかしたい」という状況は、多くの選手や保護者の方が直面されています。その気持ちはよく分かります。ただ、無理を重ねることで取り返しのつかない状態になった方を、私はこれまで何人も見てきました。
早い段階でしっかり原因と向き合えた方ほど、回復も早く、その後のパフォーマンスも高くなっています。正しい判断を早くするほど、野球を続けられる期間も長くなるのです。
自宅でのストレッチやアイシング、体幹トレーニングなどのセルフケアは、専門的な施術と組み合わせることで効果を発揮します。「どちらかだけ」ではなく、両方を上手に活用することが肩の回復を加速させる鍵です。
| セルフケアの役割 | 専門的ケアの役割 |
|---|---|
| 柔軟性の維持・向上 | 原因の特定と根本へのアプローチ |
| 日常的な血流促進 | 組織の修復サポートと機能回復 |
| 投球前後のコンディション管理 | 投球フォームや全身バランスの調整 |
| 再発予防の習慣づくり | 再発しない身体の状態を作る施術計画 |
肩甲骨の動きを取り戻すためのストレッチは、やり方を間違えなければ確かに有効です。しかし「どのストレッチが今の自分に適切か」は、症状の状態によって変わります。同じ野球肩でも、人によって硬くなっている筋肉も、動きの制限のパターンも違うからです。
私自身、長年多くのスポーツ選手の施術に関わってきた経験から、はっきり言えることがあります。野球肩は、適切なタイミングで適切なアプローチをすれば、必ず改善の道が開けます。一方で、「なんとかなるだろう」と放置してしまったために、取り返しのつかない状態になってしまうケースがあることも、残念ながら事実です。
肩甲骨の可動域を広げるストレッチは、確かに大切なアプローチのひとつです。ただしそれは、正確な原因の把握あってこそ意味を持ちます。身体はすべてつながっています。肩だけを見るのではなく、全身のバランスの中で肩を診る。それが、当院が15年以上かけて積み重ねてきた施術の考え方です。
ひとりで悩まずに、気軽にご相談ください。あなたの状態を丁寧に聞かせてもらい、一緒に改善への道筋を考えていきます。


遠方にお住まいで、当院への来院が難しい方へ
当院は富山県高岡市にある治療院です。
遠方にお住まいで継続した来院が難しい方に向けて、
ご自宅でできる姿勢ケアや睡眠環境の見直しについてまとめています。