
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


「新しいスニーカーを買ったのに、散歩や買い物のたびにかかとの後ろが痛くなる…」そんな経験、ありませんか?最初は靴擦れかな、と思って様子を見ていたら、いつの間にか歩くたびにズキズキする、という方も少なくありません。
じつは、スニーカーを履いたときに感じるかかとの後ろの痛みは、単純な靴擦れではなく、アキレス腱やその周辺組織が炎症を起こしているサインである可能性があります。
今回は、そのメカニズムと日常でできる対策、そしてどんな状態のときに専門家に相談すべきかについて、私の臨床経験をもとにお話しします。


散歩や買い物というごく普通の日常でかかとの後ろに痛みが出る方が、当院にも本当に多くいらっしゃいます。「大したことない」と後回しにしてしまうほど、後々こじれやすい症状なので、ぜひ最後まで読んでみてください
「スニーカーなのになぜ?」と思う方も多いはずです。ヒールの高い靴ではなく、クッション性があるスニーカーでも痛みが出るのには、ちゃんとした理由があります。かかとの後ろ側には、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱という太い腱があります。そして、そのアキレス腱を包む薄い膜のような組織が、繰り返しの摩擦や負荷によって炎症を起こしやすい構造になっています。
スニーカーのかかと部分(シューカウンターと呼ばれる硬い芯が入っている箇所)が、歩くたびにアキレス腱の付け根あたりに繰り返し当たり続けることがあります。これが摩擦と圧迫を生み出し、次第にアキレス腱周辺の組織が炎症を起こすきっかけになります。
特に新しいスニーカーを買ったばかりのときや、久しぶりに長距離を歩いたとき、あるいはサイズが少し大きめで足が靴の中で動いてしまうときに、この症状が起きやすくなります。
ここが大事なポイントです。「靴を替えたら治った」という方もいる一方で、靴を新調しても痛みが続く、という方もいます。それは、すでにアキレス腱周辺の組織が炎症を起こしており、靴を変えるだけでは根本的な原因が取り除けていないからです。
また、ふくらはぎの筋肉が慢性的に硬くなっていたり、歩くときの重心のかけ方に偏りがあったりすることで、アキレス腱への負担が積み重なっているケースも非常に多く見られます。
かかとの後ろに感じる痛みや違和感は、いくつかの状態が重なって起きることがほとんどです。「靴擦れ」「アキレス腱の炎症」「付着部の問題」など、それぞれで対処法が異なりますので、自分の症状がどれに近いかを知っておくことはとても重要です。以下に代表的なものを整理してみました。
最も多いのが、スニーカーのかかと部分が皮膚に直接当たって起きる靴擦れです。赤みや水ぶくれを伴うことが多く、靴を脱いだ状態では痛みが和らぐのが特徴です。これは皮膚表面の問題ですので、かかとパッドや靴擦れ防止テープで対応できることもあります。
アキレス腱そのものではなく、その周りを包む組織が炎症を起こした状態をアキレス腱周囲炎といいます。押すと痛みがある、足首を動かすと痛みの場所が少し変わる、朝の最初の一歩が特につらいといった特徴があります。散歩や買い物など、日常的な歩行を繰り返すことで少しずつ炎症が蓄積していくため、「運動していないのになぜ?」と感じる方にも起こりやすい状態です。
アキレス腱がかかとの骨に付着する部分に炎症が起きる状態です。かかとの骨のすぐ後ろを押したときに強い痛みがあり、腫れや熱感を伴うこともあります。アキレス腱周囲炎よりも深い部位で起きているため、より早めの対処が必要です。
かかとの骨の後上部が正常より出っ張ってしまい、スニーカーの硬い縁と骨が繰り返し当たることで炎症を起こす状態です。若い女性に多いとも言われていますが、中高年の方でも見られます。骨の形の問題が絡んでいる場合は、靴選びが特に重要になります。
長年、多くの患者さんのかかとの後ろの痛みに向き合ってきた経験から感じるのは、年代や生活スタイルによって痛みの起きやすいパターンが異なるということです。自分のケースに当てはまるものを確認してみてください。
買い物や散歩など、毎日の生活の中でスニーカーを長時間履き続ける方に多く見られます。更年期以降は体重が変化しやすく、足への負担が増えていることも一因です。「新しい靴を買ったら痛くなった」「ずっと履いていた靴がなんか最近合わない」という訴えが多いです。
健康診断をきっかけにウォーキングや散歩を始めた方が、最初の数週間で痛みを訴えるケースです。長年あまり歩いていなかった足が急な負荷に対応しきれず、ふくらはぎの筋肉が硬いままアキレス腱に負担をかけてしまいます。
厚底スニーカーや、かかと周りが硬めのデザインのスニーカーを履き始めて1〜2週間で痛みが出るケースです。履き慣れるまでの間の対処を知っておくことが大切です。
軽い段階であれば、日常のちょっとした工夫で改善に向かうこともあります。ただし、正しい方法でないとかえって悪化させてしまうこともありますので、参考にしてみてください。
アキレス腱への負担を減らすためには、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)の柔軟性を保つことがとても重要です。壁に手をついて前後に足を開き、後ろの足のかかとをしっかり床につけたまま軽く体重をかけるストレッチを、毎日30秒ずつ左右行うのが効果的です。
靴の内側のかかと部分にクッション性のあるパッドを入れることで、歩くときの衝撃を和らげ、アキレス腱への負担を軽減できます。ただし、パッドで症状を和らげながらも、根本原因の改善を並行して行うことが大切です。パッドに頼るだけでは、時間が経つにつれて再発を繰り返すことになります。
かかとの縁が硬すぎるスニーカーはアキレス腱を圧迫しやすいため、かかと周りが柔らかく包み込むような素材のものを選ぶことが重要です。また、足の実寸より大きすぎるサイズは、歩くたびに足が靴の中でズレてアキレス腱への摩擦が増えるため注意が必要です。
炎症が強く、熱感や腫れがある場合は、患部を氷や保冷剤で10〜15分冷やすことで痛みや腫れを抑える効果が期待できます。ただし、慢性的な痛みには冷やすよりも温める方が効果的なこともありますので、症状の状態に合わせることが大切です。
「歩いているうちに慣れるかも」「そのうち自然に治るだろう」という気持ちはよくわかります。でも、かかとの後ろの痛みに関しては、放置すると炎症が慢性化して治りにくくなるケースが少なくありません。以下のような状態に当てはまる方は、早めに専門家への相談をおすすめします。
これらの症状は、アキレス腱周辺の炎症がすでに慢性化しているサインである可能性があります。さらに炎症が進むと、アキレス腱そのものが傷つき、最悪の場合は断裂につながるリスクもゼロではありません。「まだ歩けているから」と無理をすることが、長引く原因になってしまいます。
病院で「安静にしてください」と言われるだけだった、湿布を処方されても一向に良くならない、という声を患者さんからよく聞きます。もちろん安静や薬物療法が必要な時期もありますが、それだけでは「なぜアキレス腱に負担がかかり続けているのか」という根本原因には届かないことがほとんどです。
当院では、かかとの後ろに痛みを抱えて来院された方に対して、姿勢分析・関節可動域検査・整形外科的検査の3種類の検査を組み合わせて、痛みの本当の原因を特定するところから始めます。ふくらはぎの筋肉の硬さなのか、股関節や骨盤のアライメントの問題なのか、歩行時の重心の偏りなのか。人によって原因は異なりますので、まず「あなたの身体の状態」をしっかり把握することが最短の近道になります。
検査で原因が明確になってはじめて、適切な施術の方向性が決まります。「なんとなく揉む」のではなく、根拠のある施術を院長が初回から最後まで一貫して担当しますので、行くたびに説明を繰り返す必要もありません。施術は優しくタッチする方法ですので、痛みが苦手な方にも安心してお受けいただけます。
施術室での施術と同じくらい、日常生活の中でのすごし方が回復を左右します。靴の選び方、歩き方のクセ、ふくらはぎのストレッチの正しいやり方など、あなたの生活スタイルに合わせた具体的なアドバイスを提供しています。「通院をやめたとたんに元に戻ってしまった」ということがないように、自分でできるセルフケアも一緒に身につけていただきます。
かかとの後ろの痛みでご来院される前に、多くの方が疑問に思う点をまとめました。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| スポーツをしていないのに発症しますか? | はい。散歩や買い物など日常的な歩行の繰り返しでも、ふくらはぎが硬かったり靴が合わなかったりすると発症します。 |
| 安静にすれば自然に治りますか? | 軽度であれば安静で改善することもありますが、根本原因が残っている限り再発しやすい状態が続きます。 |
| どのくらいの期間で改善しますか? | 症状の程度や原因によりますが、早期に適切な対処を行えば数週間から数ヶ月で改善するケースが多いです。 |
| 子どもや高齢者でも施術を受けられますか? | はい。当院では小さなお子さんから年配の方まで、痛みの少ない優しい施術で対応しています。 |
「買い物から帰ったらかかとの後ろが痛い」「散歩のたびにズキズキする」という悩みは、日々の生活の質に直結します。我慢しながら過ごす毎日より、痛みなく歩ける毎日の方がずっといい。その当たり前のことを取り戻してほしいというのが、私の一番の思いです。
スニーカーを履いてかかとが痛くなる症状は、適切に対処すれば必ず改善の道があります。「整形外科で湿布をもらうだけで終わってしまった」「どこに相談すればいいか分からなかった」という方こそ、ぜひ一度ご相談ください。一人で悩まずに、何でも気軽に話してもらえると嬉しいです。

