
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


ボールを投げたあとに肩がズキッと痛む、腕を上げるたびに引っかかる感じがする、そんな経験はありませんか。「たぶん疲れだろう」と様子を見ているうちに、気づけば重症化していた…というケースは決して珍しくありません。
このページでは、野球肩かどうかを自宅で確認できるセルフチェックの方法を、柔道整復師の立場からわかりやすくお伝えします。お子さんの肩が心配な保護者の方にも、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。


投球後の肩の違和感を「たかが筋肉痛」と放置してしまう選手や保護者の方が本当に多いんです。私自身も臨床の現場で何百人もの投球障害の患者さんを診てきましたが、早期に気づいて対処した方とそうでない方では、回復までの期間が大きく変わります。今日紹介するチェックはどれも自宅でできるものばかりなので、気になる方はぜひ試してみてください
野球肩という言葉は聞いたことがあっても、実際にどういった状態を指すのかを正確に把握している方は意外と少ないものです。投球動作によって肩関節周囲に繰り返しのストレスがかかり、筋肉・腱・関節包などに炎症や損傷が生じる状態の総称が野球肩です。ひとつの病名ではなく、複数の病態が含まれる点が特徴です。
野球肩にはいくつかの異なるタイプがあり、症状の出方もそれぞれ微妙に違います。どのタイプかによって対処の方向性も変わってくるため、まずは代表的な病態を知っておくことが大切です。
これらは症状だけで見分けることが難しいものも多いですが、セルフチェックで「どの動作で痛むか」を整理しておくと、その後の対応がスムーズになります。
ここからが本題です。自宅でひとりでもできる確認方法を5つご紹介します。チェックを行う際は、痛みが強いときには無理をせず、あくまで「現状を把握する」ための確認として行ってください。なお、これらは医療機関の診断に代わるものではありませんのでご注意ください。
まっすぐ立った状態で、両腕をゆっくりと真横から上に持ち上げていきます。このとき、左右差がないかどうかを確認してください。片方だけ途中で引っかかる感じがある、あるいは180度まで上がりにくいと感じる場合は要注意です。肩の上方の組織に何らかの問題が生じているサインである可能性があります。痛みのない側と比べながらゆっくり動かしてみるのがポイントです。
肘を曲げた状態で、腕を後ろに回して背中の真ん中あたりに手の甲が届くかどうか確認します。これは肩の内旋可動域を見るチェックです。投球障害のある選手の多くに、この内旋可動域の制限が見られるとされており、練習前後で確認するだけでも異常の早期発見につながります。利き腕側と反対側で届く位置を比べてみてください。
腕を横に約120〜135度持ち上げ、親指を上に向けた状態でキープします。この位置が「ゼロポジション」と呼ばれ、肩関節の負担が最も少ない角度です。この姿勢を10秒間保てるかどうか試してみてください。痛みや震えが出るようであれば、棘上筋や棘下筋への負担が蓄積している可能性があります。
片腕を肩の高さで前に伸ばし、反対の手でその肘をつかんで、胸の前を横切るようにゆっくり引きます。肩の後方にツッパリ感や痛みが出る場合は、後方関節包や後方筋群が硬くなっているサインです。この硬さが投球フォームの崩れにつながり、肩への負担を増やしていることがあります。
実際に軽く腕を振る動作をしてみて、どのフェーズで痛みが出るかを確認します。
どのタイミングで痛むかを言語化しておくと、医療機関を受診した際に状態を伝えやすくなります。
セルフチェックが終わったら、次に「どう動くか」が重要です。結果をどのように受け止めて行動するかで、その後の回復スピードが大きく変わります。以下を目安にしてください。
5つのチェックすべてで左右差がなく、投球動作でも痛みや引っかかり感がまったくない場合は、基本的に練習を継続しても問題ありません。ただし、その状態を維持するための日々のケアは欠かさないようにしましょう。
軽い引っかかり感や違和感はあるものの、強い痛みではない場合は、まず投球を1〜2週間休んで様子を見ることをおすすめします。この段階で適切に休養を取れば、多くのケースで自然回復が期待できます。ストレッチや肩周りのケアを続けながら、状態が改善するかどうかを確認してください。
安静にしていても痛みが続く、夜間に肩が疼く、腕に力が入らない、小学生・中学生で投球後に強い痛みが出た、こういったケースは放置してはいけません。成長期の選手の場合は骨端線損傷の可能性もあるため、特に早めの受診をおすすめします。
「痛みが取れたから大丈夫」と思って練習を再開し、また同じところを痛めてしまう、という経験をお持ちの方は少なくないはずです。これには理由があります。
私がこれまで多くの投球障害を持つ患者さんを施術してきた中で気づいたのは、肩の痛みの原因が肩だけにあるとは限らないということです。体幹の回旋制限、股関節の可動域不足、胸椎(背骨の胸の部分)の硬さ、こういった要因が積み重なって、最終的に肩への負担として現れていることがとても多いです。
肩だけにアプローチして一時的に痛みを取っても、根本にある体の硬さや動きのクセが変わらなければ、また同じ状態に戻ってしまいます。再発を繰り返している方は、ぜひ「体全体の使い方」という視点で自分の身体を見直してみてください。
肩の柔軟性が落ちると、それを補うために肘が下がったり、体の開きが早くなったりと、無意識にフォームが変化していきます。このような代償動作が定着してしまうと、肩・肘だけでなく腰や膝にまで影響が広がることもあります。セルフチェックで異常を発見したら、フォームの見直しも合わせて行うことが大切です。
子どもはなかなか自分から「痛い」と言えないことが多いものです。試合に出たい、レギュラーを外されたくない、監督やコーチに迷惑をかけたくない、そういった気持ちが先に立って、痛みを我慢しながらプレーしてしまうケースは非常に多いです。
言葉でSOSを出せない子どもでも、行動や様子にサインが出ていることがあります。次のような変化があれば、一度肩の状態を確認してあげてください。
特に成長期の小中学生は骨がまだ柔らかく、大人では骨折しないような力でも骨端線に損傷が起きることがあります。「まだ小学生だから大丈夫」という判断はとても危険です。
野球肩の予防で最も大切なのは、早期発見と早期対処です。痛みが出てから対処するのではなく、異常がない状態でも定期的に肩の状態を確認する習慣をつけることが、長く野球を続けるための第一歩です。
今日ご紹介した5つのチェックは、慣れれば5〜10分程度で終わります。練習前後、あるいは週に1回、入浴後など体が温まっているタイミングで試してみてください。左右差が出てきたら早めに専門家に相談することをおすすめします。
開業から15年以上、投球障害をはじめとするスポーツ由来の肩のトラブルを持つ多くの患者さんに関わってきました。共通して言えることは、「もっと早く来てくれれば」というケースが本当に多いということです。痛みを我慢したまま投げ続けることで、回復に何ヶ月もかかる状態になってから来院される方を見るたびに、もどかしい気持ちになります。
当院では、姿勢分析・関節可動域・整形外科的検査の3種類の独自検査をもとに、肩の痛みの根本原因を特定したうえで施術を行っています。「肩だけ診ればいい」とは考えておらず、体全体のつながりから原因にアプローチしていくスタイルです。高岡市を中心に、富山県内外から多くの患者さんにお越しいただいています。
セルフチェックで異常を感じた方、以前から繰り返し肩を痛めていてなかなか改善しない方、ぜひ一人で抱え込まずにご相談ください。どんな小さな違和感でも、早めに声をかけていただければ一緒に解決策を探せます。あなたや大切なお子さんが笑顔でグラウンドに立てるよう、全力でサポートします。

