
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


「仕事の合間についチョコレートやクッキーに手が伸びてしまう」「疲れたときに甘いものを食べると元気が出る気がする」、そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。甘いものはおいしくて気分もあがりますよね。でも、毎日のようにたくさん食べていると、体の中でちょっとやっかいなことが起き始めることをご存知でしょうか。
疲れがとれない、食後に眠くてたまらない、最近肌の調子が悪い……そんな不調が続いているとしたら、もしかしたら毎日の「甘いもの習慣」が関係しているかもしれません。今回は甘いものを食べすぎることで体に起こる変化について、整体の視点も交えながらわかりやすくお伝えしていきます。


これ、じつは整体の現場でもよく話題になるテーマなんです。甘いものと体の不調の関係を知っておくだけで、日常のちょっとした選択が変わってきます。ぜひ最後まで読んでみてください
甘いものが体に与える影響を理解するうえで、まず知っておきたいのが「血糖値の動き」です。私たちの体は血液中のブドウ糖(血糖)の量、いわゆる血糖値を一定の範囲内に保つように働いています。甘いものやスナック菓子、清涼飲料水などを一気にとると、この血糖値が急激に上がります。そしてそのあと、インスリンというホルモンが大量に分泌されて血糖値を急激に下げようとする——この「急上昇・急降下」の繰り返しが、さまざまな不調の引き金になると私は考えています。
血糖値が短時間で大きく上下することを「血糖値スパイク」と呼びます。食後に急に眠くなったり、だるくなったりした経験はありませんか? それはまさにこのスパイクが起きているサインかもしれません。
血糖値スパイクが続くと、膵臓に大きな負担がかかり続け、インスリンの分泌機能が少しずつ低下していくとも言われています。糖尿病の予備軍になってしまうリスクも、決して他人事ではありません。血糖値のコントロールは、将来の健康を守るうえでもとても大切な視点です。
甘いものを食べた直後は確かに血糖値が上がって一時的に元気な気がします。ところが、その後に急激な低血糖状態に陥ることで、強い倦怠感や集中力の低下が起きやすくなります。「甘いものを食べたのに、なぜか余計に疲れてしまった」という経験をした方がいれば、まさにこのメカニズムが働いている可能性があります。
「疲れたときの甘いもの補給」は一見理にかなっているように思えますが、じつはそれが逆効果になるケースが少なくありません。甘いものを摂るたびに血糖値が乱高下し、体は疲れをとるどころか余計なエネルギーを消費してしまいます。柔道整復師として多くの患者さんと向き合ってきた経験から、慢性的な疲れを訴える方の食習慣に「甘いものの摂りすぎ」が関わっていることは決して珍しくないと感じています。
糖質をエネルギーに変えるためには、ビタミンB1をはじめとするビタミンB群が欠かせません。砂糖(精製糖)にはビタミンB群がほとんど含まれていないため、甘いものを大量に食べ続けると、体内のビタミンB群が消費されてしまいます。
ビタミンB1が不足すると疲労感、倦怠感、集中力の低下、さらにはイライラや気分の落ち込みなど、心身両面に影響が出ることがあります。「しっかり食べているのになぜか疲れがとれない」という方は、じつはビタミン不足に陥っている可能性があります。甘いものの食べすぎが、知らないうちに栄養バランスを崩しているわけです。
血糖値の乱高下は自律神経にも影響を与えます。自律神経が乱れると、血流が悪くなったり筋肉が緊張しやすくなったりします。私の整体の現場でも、慢性的な肩こりや腰痛を抱えている方の中に、食生活の乱れ・特に糖分の過剰摂取が体の硬さや痛みの背景にあるケースを少なくない頻度で経験しています。甘いものと体のこりは、一見関係なさそうに見えて、じつはしっかりつながっているのです。
昼食後にどうしても眠くなってしまう、仕事中にうとうとしてしまう——そんな悩みを抱えている方は多いと思います。この食後の眠気も、甘いものや糖質のとりすぎが深く関係している場合があります。食後に血糖値が急上昇することで、脳内の「オレキシン」と呼ばれる覚醒ホルモンの働きが低下し、強い眠気が生じやすくなると考えられています。
近年、食後の強い眠気やだるさを「糖質疲労」と呼ぶ考え方が注目されています。食べた後に決まってどっと疲れが出る、頭がぼーっとする、という症状が慢性化しているとしたら、食事の内容を見直すことが根本的な解決につながるかもしれません。特に昼食にうどんやパスタ、甘いパンや菓子パンなどを単品で食べる習慣がある方は、食後の血糖値スパイクが起きやすい状況にあります。
食後の眠気を防ぐためには、食べるものの内容だけでなく「食べる順番」も重要です。野菜や海藻など食物繊維を含む食品から食べ始めることで、糖の吸収がゆるやかになり血糖値の急上昇を抑えることができます。また、よく噛んでゆっくり食べることも、血糖値の上がり方を穏やかにするうえで効果的です。忙しい毎日でも、食べ方を少し意識するだけで体の変化を感じられることがあります。
体の外側にも、甘いものの食べすぎはしっかり影響をおよぼします。特に肌に変化を感じている方には、ぜひ知っておいていただきたい「糖化」という現象があります。
糖化とは、余分な糖がたんぱく質や脂質と結びついて変性する反応のことです。体内でこの糖化が進むと、「AGEs(終末糖化産物)」という物質が作られ、細胞や組織を傷つけていきます。肌のコラーゲンが糖化されると、弾力やハリが失われてシワやたるみが生じやすくなります。また、肌の色がくすんで見えたり、ニキビや吹き出物が繰り返しできるといった肌荒れとしても現れることがあります。
糖化は肌だけの問題ではありません。血管や関節のコラーゲンも糖化によってダメージを受けます。動脈硬化のリスクが高まったり、関節が硬くなって痛みが出やすくなるとも言われています。整体の視点から見ると、体の柔軟性が低下した状態は骨格や筋肉のバランスにも影響を与えます。糖化は、体の「老化を加速させる」要因のひとつとして、真剣に向き合う価値があります。
「じゃあ、甘いものはどのくらいまでなら大丈夫なの?」と気になる方も多いと思います。世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、砂糖などの「遊離糖類」の摂取量を1日の総エネルギーの10%未満に抑えることを推奨しており、さらに5%未満にすると追加の健康効果が期待できると示しています。成人の場合、10%は約50g程度にあたりますが、コンビニのペットボトル飲料1本に含まれる砂糖がおよそ30〜40gであることを考えると、飲み物だけで目安に達してしまうこともあります。
甘いものを「完全にやめる」必要はありません。大切なのは「意識すること」と「量を把握すること」です。無意識のうちに毎日大量の糖分を摂り続けていないか、一度立ち止まって振り返ってみてください。
甘いものが引き起こす体の不調を防ぐために、今日からできることをいくつかご紹介します。難しいことは何もありません。日常の小さな積み重ねが、体の大きな変化につながっていきます。
甘いものを食べるなら、空腹時よりも食後のほうが血糖値の上昇が比較的ゆるやかです。また、ナッツやチーズなどたんぱく質・脂質を含む食品と一緒に食べることで、糖の吸収スピードをゆっくりにする効果が期待できます。「食べない」ではなく「食べ方を工夫する」という発想の転換が、長続きする秘訣だと私は思っています。
砂糖が含まれているのはスイーツだけではありません。市販のドレッシング、ソース類、カップ麺のスープ、缶詰、ヨーグルト飲料など、一見甘くないように見える食品にも多くの糖分が含まれていることがあります。食品を購入する際に成分表示を確認する習慣をつけるだけで、知らないうちに糖分を摂りすぎている状況を防ぐことができます。
清涼飲料水やスポーツドリンク、甘い缶コーヒーを日常的に飲んでいる方は、まずそこから見直してみてください。水やお茶に替えるだけでも、1日に摂る糖分の量はぐっと減らすことができます。小さな変化ですが、体への影響はじわじわと確実に現れてきます。
甘いものの食べすぎが疲れや肌荒れ・眠気の一因になり得るとお伝えしてきましたが、体の不調は食習慣だけが原因であるとは限りません。骨格の歪みや筋肉のバランスの乱れが、血流を悪化させて疲れやだるさにつながっていることも多くあります。
私がこれまで20万件以上の施術を通じて感じてきたのは、体の不調には必ず「根本的な原因」があるということです。食事の見直しをしても改善しない疲れや体のこり、慢性的な眠気や肌荒れが続くようであれば、体の構造的なアンバランスも一緒にチェックしてみることをおすすめします。
骨格の歪みが整うと、血流やリンパの流れが改善されます。自律神経のバランスも整いやすくなるため、食後の眠気や疲れやすさが軽減されたとおっしゃる患者さんも少なくありません。甘いものとの付き合い方を見直しながら、体のケアも合わせて行うことで、より早く、より根本的な体質改善につながると私は考えています。
「疲れがとれない」「眠気がひどくて仕事にならない」「肌の調子が悪い」……そんな悩みを長く抱えているなら、ぜひ一度、ご自身の体のことを専門家に相談してみてください。我慢し続けることで状態が悪化してしまう前に、早めに動くことが大切です。