
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


こんにちは、サトウ整体院・高岡本院の佐藤です。今日も朝から窓の外がじりじりと暑いですね。デスクに向かってパソコン作業をしていると、気づけばお尻がずるっと前に滑って腰が丸まっていた、なんてことはありませんか。



長時間の座り仕事をされている方の腰を数え切れないほど診てきましたが、多くの方が座り方そのものに原因を抱えていました
実は、腰の重さや肩のこりの原因が、椅子の座り方そのものに隠れていることが本当に多いんです。デスクワークが中心の生活を送っている方なら、一度は「骨盤を立てて座りましょう」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。整体の施術中にもよくお伝えしている言葉なのですが、実際にやってみようとすると意外と難しいものです。今回は臨床の現場で30年以上お身体を見てきた立場から、骨盤を立てる感覚をつかむための具体的な手順を、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。読み終わった後にすぐ試せる内容にしましたので、ぜひ今座っている椅子の上で一緒に確認してみてください。
多くの方が「骨盤を立てる」という表現は知っていても、その反対の状態、つまり骨盤が後ろに倒れてしまった状態がどんなものかを意識できていません。ここではまず骨盤が寝てしまう仕組みから確認していきましょう。
椅子に浅く腰掛けて背もたれに寄りかかると、骨盤は後ろにコロンと倒れやすくなります。この状態を骨盤の後傾と呼んでいます。骨盤が後傾すると、その上に乗っている背骨も一緒に丸まってしまうんですね。すると自然と猫背の姿勢になり、頭の重さを首や肩の筋肉だけで支えることになってしまいます。結果として肩や首がガチガチにこわばり、さらには腰の一部分だけに負担が集中してしまうという悪循環が起こります。骨盤が後ろに倒れた状態が続くと、腰や肩の不調はどんどん積み重なっていきます。逆に骨盤が立っている状態というのは、骨盤が床に対してまっすぐ垂直に近い角度を保っている状態のことを指します。この状態であれば背骨は自然なS字カーブを描きやすくなり、上半身の重さが分散されるため、腰の一箇所に負担が集まりにくくなるのです。
施術の現場でお会いする方々を見ていると、骨盤が寝てしまいがちな方にはいくつか共通した傾向があります。
こうした癖は一日二日でついたものではなく、何年もかけて積み重なった生活習慣によるものです。だからこそ、意識的に座り方を見直すことがとても大切になってきます。
骨盤を立てるための最初のステップは、坐骨と呼ばれる骨の位置を自分の感覚でつかむことです。この感覚さえつかめれば、座り方の改善は驚くほどスムーズに進みます。
坐骨というのは、お尻の下側にある左右一対の骨のことで、椅子に座ったときに座面に一番強く当たる部分にあります。試しに、椅子に座った状態で身体を前後に小さく揺すってみてください。お尻の下でコリコリとした硬い骨の感覚が伝わってくるはずです。それが坐骨です。次に、その坐骨を座面にまっすぐ突き立てるようなイメージで座ってみましょう。この時、坐骨の先端が床に対して垂直に近い方向を向くようにするのがポイントです。坐骨がしっかり座面に当たっている感覚を保てているかどうかが、骨盤が立っているかを判断する目印になります。慣れないうちは長く保つのが難しいかもしれませんが、一日に何度も座り直すたびに意識してみることで、少しずつ身体が正しい位置を覚えていきます。
坐骨の感覚がつかめたら、いよいよ実際の座り方を整えていきます。ここでは椅子に座る際の一連の流れを順番にご紹介します。
このとき、足の裏全体がしっかり床につくことも忘れないでください。足が浮いた状態では骨盤が安定しにくく、せっかく坐骨で座れていても長続きしません。またお腹に軽く力を入れる意識を持つと、骨盤がさらに安定しやすくなります。腹筋を強く締める必要はなく、風船を軽くつぶすくらいの力加減で十分です。
言葉だけではイメージがつかみにくいかもしれませんので、表で整理してみましょう。
| 状態 | 骨盤が立った座り方 | 骨盤が寝た座り方 |
|---|---|---|
| 骨盤の向き | ほぼ垂直に近い | 後ろに傾いている |
| 背骨のライン | 自然なS字カーブ | 丸まって猫背になりやすい |
| 体重の乗り方 | 坐骨に均等 | お尻の後ろ側に偏る |
| 起こりやすい不調 | 比較的少ない | 腰痛や肩こりが出やすい |
このように並べてみると、骨盤の角度ひとつで身体への負担が大きく変わることがよくわかりますね。
正しい座り方がわかっても、仕事や家事に集中しているうちについ姿勢が崩れてしまうのは仕方のないことです。ここでは崩れにくくするための工夫をいくつかご紹介します。
一つ目は、座面の後ろ側に丸めたタオルやクッションを置く方法です。骨盤がわずかに前傾しやすくなるため、坐骨で座る感覚を保ちやすくなります。二つ目は、一時間に一度は立ち上がって身体を伸ばす習慣をつけることです。どんなに正しい姿勢でも、同じ姿勢を長時間続ければ筋肉は固まってしまいます。三つ目は、座り直すタイミングを決めておくことです。例えば水を飲むときや電話を切ったときなど、日常の行動と結びつけておくと意識しやすくなります。身体は使い方の癖を少しずつ覚えていくものですから、完璧を目指さずに気づいたときに整え直すくらいの気持ちで取り組んでみてください。焦らず続けることが、結果的に一番の近道になります。
ここまでご紹介した座り方を試していただければ、多くの方が肩や腰の軽い違和感の軽減を感じられると思います。ただし、すでに痛みが強く出ている場合や、座り方を意識してもなかなか楽にならない場合には、身体の中に別の原因が隠れている可能性があります。
長年、多くの方の腰やお身体を見てきた中で感じるのは、姿勢の崩れというのは単に癖の問題だけでなく、骨盤周りの関節の動きや、股関節・背骨の可動域が関係しているケースが少なくないということです。ご自身で色々と試してみても改善が感じられない場合は、一度専門的な検査を受けてみることをおすすめします。姿勢分析や関節可動域の検査を通じて、なぜ骨盤が立ちにくいのかという根本の原因が見えてくることもあります。無理に我慢を続けるのではなく、ご自身の身体と向き合う時間を持っていただければと思います。日々の小さな座り方の積み重ねが、これからの元気な毎日につながっていきます。少しずつ一緒に整えていきましょう。