
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


朝、外出前に上着の袖に腕を通そうとしたとき、ズキッと鋭い痛みが走ったことはありませんか。「昨日まで何ともなかったのに」と驚いた方も、「最近じわじわ悪化している気がする」という方も、実はこの症状、放っておくとどんどん悪化してしまう可能性があります。
着替えの際に肩が痛むのは、五十肩(肩関節周囲炎)の初期サインであることが非常に多いのです。今日はその原因と、日常生活でできることをわかりやすくお伝えしていきますね。


朝の支度のたびに肩の痛みで時間がかかってしまう、そんなつらさは私もたくさんの患者さんから聞いてきました。「たかが着替えの痛み」と思ってほしくないんです。早めに原因を知って、正しく対処することが、その後の回復スピードを大きく左右します
着替えのときに肩が痛くなる理由は、肩関節が特定の方向へ動く瞬間に、炎症を起こした組織が引っ張られたり圧迫されたりするからです。上着の袖に腕を通す、Tシャツを頭からかぶる、後ろに手を回してブラジャーのホックを留める——こういった何気ない動作が、肩に大きな負担をかけているのです。
特に多いのが、腕を後ろに回す内旋・伸展の動きです。肩関節の可動域が狭くなっていると、この動作で強い痛みが生じます。朝の着替え時間が長くなった、腕が上まで上がらなくなってきた——そんな変化を感じている方は、肩の状態が少しずつ変わってきているサインかもしれません。
着替えの中でも、肩に負担がかかりやすい動作には傾向があります。当院に来られる方も「あの動作だけが痛い」「脱ぐときだけズキッとくる」とおっしゃることが多いです。
これらはどれも、肩関節が複合的な方向に動く動作です。五十肩の初期から中期にかけて、このような複合動作で強い痛みが出やすくなります。「特定の動きだけ痛い」という段階でしっかり対処することが、症状の悪化を防ぐうえでとても重要です。
「五十肩」という名前のとおり、この症状は50歳前後から急に増えてきます。40代後半から60代の方に特に多く見られますが、なぜこの年代に集中するのでしょうか。その背景には、加齢に伴う体の変化がいくつか重なっています。
40代を過ぎると、肩関節の周囲にある腱や関節包(関節を包む袋状の組織)が少しずつ変性して、柔軟性や弾力性が低下してきます。若いころは多少無理な動きをしても問題なかったのが、同じ動作でも組織に微小な傷が生じやすくなるのです。
さらに女性の場合は、更年期に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少が、腱や靭帯の柔軟性低下をより加速させると言われています。40代後半から50代の女性に五十肩が多い理由のひとつがこれです。「なんとなく更年期の症状と重なってつらい」と感じている方もいらっしゃいますが、肩の症状はホルモン変化とも無関係ではないのです。
加齢だけが原因ではありません。長年のデスクワークやスマートフォンの使い方による猫背姿勢、家事での偏った肩の使い方——こうした生活習慣の積み重ねが、肩関節まわりの筋肉や関節の動きを少しずつ制限していきます。
「ずっとこういう姿勢だったから仕方ない」と思う必要はありません。原因がはっきりしているなら、そこに適切にアプローチすることで改善の道は必ずあります。大切なのは、原因を正確に把握することです。
「少し様子を見ていれば治るかな」と思って、ついつい後回しにしてしまう方が多いです。でも、五十肩は初期段階で適切に対処しないと、関節が固まる「拘縮」の状態に移行してしまうことがあるのです。拘縮が進むと、腕をほとんど動かせなくなり、洗髪もできない、服も一人で着られないという状態になってしまいます。
五十肩の経過はおおむね3つの段階に分かれます。
| 段階 | 時期の目安 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 急性期(炎症期) | 発症〜数ヶ月 | 安静時や夜間も痛む、じっとしていてもズキズキする |
| 慢性期(拘縮期) | 数ヶ月〜1年程度 | 痛みはやや落ち着くが、動かせる範囲がどんどん狭くなる |
| 回復期 | 1年前後〜 | 徐々に動きが戻ってくるが、放置すると不完全回復になることも |
このように、五十肩は自然に治ることもありますが、回復に1年以上かかるケースも珍しくありません。早い段階で原因を特定して対処することが、回復期間を大幅に短縮するうえで非常に重要です。
痛みがある状態で無理に動かすことは禁物ですが、着替えの順番や方法を少し変えるだけで、日々の痛みを大きく減らすことができます。ちょっとした工夫で毎朝のストレスが軽くなりますので、ぜひ試してみてください。
まず大前提として覚えておいてほしいのは、「痛い側の腕から先に袖を通す」という原則です。これだけで肩にかかる負担がかなり変わります。健康な側の腕を先に通そうとすると、痛い側の肩を大きく動かすことになってしまうからです。
逆に脱ぐときは「痛くない側から先に脱ぐ」のが基本です。このたった2つのルールを守るだけで、毎朝の着替えがずいぶんと楽になります。急性期で炎症がひどいときは無理に動かさず、着脱しやすい前開きのシャツやカーディガンを選ぶことも大事な対処法のひとつです。
痛みがあるときについやってしまいがちな行動が、かえって悪化を招くことがあります。次のことは特に注意してください。
特に急性期の無理な運動は、炎症を悪化させて症状を長引かせてしまうことがあります。「なんとかしたい」という気持ちはよくわかるのですが、まず専門家に状態を見てもらってから適切な方法を教えてもらうことが、結果的に一番の近道です。
「湿布を貼っているけど全然よくならない」「痛み止めを飲んでいる間は楽だけど、やめるとまた痛くなる」——こういったご相談は本当によく聞きます。なぜ薬や湿布では根本的に改善しないのでしょうか。
それは、湿布や薬が「痛みというシグナルを抑える」ことはできても、「なぜ痛みが出ているのか」という根本原因には働きかけていないからです。痛みは体が発するSOS信号です。そのシグナルを消すだけでは、原因が残り続けます。
五十肩の原因は、加齢・姿勢・筋肉の緊張・関節の可動域制限など、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。だから「ここだけ治療すれば解決」という単純な話にはなりません。一人ひとりの体の状態をしっかり検査して、その方に合った施術プランを立てることが大切なのです。
私が柔道整復師として臨床を続けてきた中で、繰り返し実感してきたことがあります。それは「痛みのある場所だけを治療しても、再発や長期化を招くケースが多い」ということです。肩だけを見るのではなく、肩甲骨の動き、胸椎の柔軟性、姿勢全体のバランス——こうした全体像を把握したうえで施術しなければ、本当の意味での改善にはなりません。
当院では初回に、姿勢分析・関節可動域検査・整形外科的検査という3種類の独自検査を行います。「なぜ今この状態なのか」を数値と根拠をもってご説明し、その方に最適な施術計画を立ててから施術をスタートします。
施術を始める前に、現在の状態を正確に把握することが最優先です。原因がわからないまま「なんとなく肩をほぐす」施術を続けても、改善するかどうかは運任せになってしまいます。検査で原因を可視化して初めて、最短ルートで改善を目指すことができると考えています。
「他の院でずっとマッサージしてもらっているのに、全然よくならない」という方が当院に来られるケースも少なくありません。原因が特定されていなかったり、アプローチの方向性が合っていなかったりすることが多いのです。
「整体って痛いイメージがある」とよくおっしゃる方がいますが、当院の施術は優しくタッチするソフトな施術です。ボキボキと強い力をかけることはありませんので、肩の痛みが強い時期でも安心して受けていただけます。小さなお子さんから年配の方まで幅広く対応しており、臨床経験は30年以上、施術実績は20万件以上を積み重ねてきました。
実際に来院される方から多く寄せられる疑問をまとめました。「自分のことかも」と思うものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
軽症であれば自然治癒することもありますが、放置していると拘縮が進んで関節が固まってしまうケースがあります。「なんとなく動かしにくいな」という段階で対処するほうが、回復にかかる時間が大幅に短くなります。1年以上かけてゆっくり回復しても、可動域が完全に戻らないことも実はあるのです。
これは段階によって正解が変わります。急性期で炎症が強いときは安静が基本です。ズキズキした痛みが強く、夜も眠れないような状態のときに無理に動かすのは逆効果になります。一方、慢性期から回復期にかけては、適切な範囲で少しずつ動かしていくことが回復を促します。「今どの段階なのか」を専門家に判断してもらうことが大切です。
医学的には同じ疾患です。「肩関節周囲炎」という正式名称があり、40代で発症したものを四十肩、50代で発症したものを五十肩と呼び習わしているだけです。発症年齢に関わらず、症状や対処法に大きな違いはありません。
ステロイドやヒアルロン酸の注射は、痛みの緩和に一定の効果があります。ただ、注射で痛みを抑えても、関節の可動域制限や姿勢・筋肉のバランスが改善されないままでは、根本解決にはなりません。「できれば注射や薬に頼らずに改善したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事を読んでくださっている方の多くは、「最近、朝の着替えのときに肩が痛い」「腕が思うように上がらなくて困っている」という状況にあるのではないでしょうか。そのつらさは、毎朝繰り返されるものだけに、精神的にもじわじわとダメージが積み重なっていきます。
私が長年の施術経験の中で見てきたのは、「少し様子を見よう」と思って半年、1年が経ってしまい、気づいたときには関節が固まっていて回復に時間がかかってしまった方のケースです。逆に、「なんかおかしいな」と早い段階で来院された方は、短い期間でしっかり改善されていきます。
着替えのたびに感じる肩の痛みは、体からの大切なメッセージです。「まだ我慢できる」「そのうち治るだろう」と一人で抱え込まないでください。どんな些細な疑問でも、気になることがあればいつでもご相談ください。あなたの肩が、また自由に動くようになるそのお手伝いを、全力でさせていただきます。

