
院長:佐藤お気軽にご相談ください!


最近、首のあたりがなんとなく重だるい、夜になると目がショボショボする、布団に入ってもなかなか眠れない…そんな毎日を過ごしていませんか?実はそのつらさ、スマートフォンの使い方が大きく影響しているかもしれません。
当院には「特にケガをしたわけじゃないのに首や肩がずっとしんどい」「最近ぐっすり眠れていない気がする」というお悩みを持つ方が多く来院されます。話を伺うと、仕事でパソコン、移動中や帰宅後はスマホ、寝る前もベッドでスマホ…という生活パターンがほぼ共通しています。


柔道整復師として30年以上、延べ20万人以上の方の身体を診てきましたが、ここ数年でスマホに関連した首や肩、自律神経の不調を訴える方が本当に増えています。「まさか自分がスマホのせいで…」と気づいていない方がとても多いので、今日はその仕組みと対策をしっかりお伝えしたいと思います
スマートフォンを使っているとき、私たちの体の中では知らず知らずのうちにさまざまな負担が積み重なっています。「たかがスマホ」と思われがちですが、その影響は首・目・睡眠・自律神経と、体の広い範囲にわたります。ここでは、その仕組みをひとつひとつ丁寧に見ていきましょう。
人間の頭の重さは、成人でおよそ5〜6キログラムあります。これはボウリングのボールとほぼ同じ重さです。首がまっすぐ立っているときは、首の筋肉への負担はそれほど大きくありません。ところが、スマホを見るときのようにうつむいた角度になると、話が全く変わってきます。
首を15度前に傾けると首への負荷は約12キログラム、30度で約18キログラム、45度になると実に約22キログラム以上の負担が首の筋肉や関節にかかると言われています。スマホを操作するときの平均的な角度は40〜60度とされていますから、首は日常的にその何倍もの重さを支え続けていることになります。
この状態が慢性化すると、首の自然なカーブ(頚椎のS字カーブ)が失われ、まっすぐな状態になってしまいます。これが「ストレートネック」、いわゆるスマホ首と呼ばれる状態です。スマホ首になると、首のこりや痛みだけでなく、頭痛、肩こり、手や腕のしびれ、さらには自律神経の乱れにまで影響が波及していきます。
スマートフォンの画面を見ているとき、私たちは通常よりもまばたきの回数が極端に減っています。日常会話中のまばたきは1分間に約15〜20回ですが、画面を注視しているときは5〜7回程度にまで低下するという報告があります。まばたきは目の表面を涙で潤すための大切な動作です。それが減ることで、目の表面が乾き、ドライアイや眼精疲労を引き起こします。
また、スマホの画面から発せられるブルーライトも見逃せません。ブルーライトは可視光線の中でも特にエネルギーが高く、目の奥の網膜まで届きやすい性質を持っています。長時間にわたってブルーライトにさらされると、目のレンズにあたる水晶体や網膜に負担が蓄積され、視力低下を引き起こす可能性が指摘されています。目の奥が痛い、画面が見えづらい、夕方になると視界がぼやける…そのような症状が出ている方は要注意です。
夜、布団に入ってからスマホを見るという習慣がある方は多いと思います。少しだけ…と思って始めた動画が1時間、気がつけば日付が変わっていた、そんな経験はありませんか?
睡眠に深く関わるのが「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは脳の松果体から分泌され、体に「眠る時間ですよ」というサインを送る役割を持っています。問題は、このメラトニンの分泌がブルーライトによって抑制されてしまうことです。就寝前にスマホを使うことで、脳が「まだ昼間だ」と錯覚し、体が眠りに入る準備を妨げます。
その結果、寝つきが悪くなる、眠りが浅い、朝起きても疲れがとれないという悪循環が生まれます。睡眠不足は免疫機能の低下、集中力の散漫、さらには太りやすくなるなど全身に影響を及ぼしますから、軽く考えないでほしいのです。
スマホを使っているとき、人間の体は知らずのうちに緊張状態に入っています。小さな画面に集中し、情報を処理し続けることで、交感神経(活動・緊張モード)が優位になります。本来なら夕方以降は副交感神経(休息・回復モード)に切り替わるべき体が、夜遅くまでスマホ操作を続けることで切り替えができなくなってしまいます。
自律神経が乱れると、首こりや肩こり、頭痛といった筋骨格系の症状だけでなく、胃腸の不調、動悸、息苦しさ、気分の落ち込みなど多岐にわたる症状が現れることがあります。「体のどこが悪いというわけではないのに調子が悪い」という状態は、まさにこの自律神経の乱れが影響していることが少なくありません。
ここで一度、ご自身の状態を確認してみてください。以下のような症状が続いている場合、スマホの使いすぎが体に影響を与えている可能性があります。
3つ以上当てはまった方は、スマホの使い方を見直すとともに、体の状態をしっかりと確認することをおすすめします。これらの症状は「ちょっと疲れているだけ」と放置しがちですが、慢性化すると改善に時間がかかるケースも多いのです。
スマホを使うなということではありません。現代の生活でスマホは欠かせないツールです。大切なのは、使い方を少し意識するだけで体への負担を大きく減らせるということです。
スマホを使うときは、できるだけ画面を目の高さに近づけるようにしましょう。画面が低いほどうつむく角度が大きくなり、首への負荷が増します。椅子に座って使う際は、背もたれにしっかり背中をつけ、スマホを持つ腕を何かで支えるように工夫すると疲れにくくなります。寝転びながらスマホを操作する習慣がある方は要注意です。うつぶせ・横向き・仰向けのどの姿勢も、首や腰に不自然な角度の負担をかけ続けることになります。
目の疲れを防ぐ方法として、欧米の眼科学会でも推奨されているのが「20-20-20ルール」です。20分スマホや画面を見たら、20フィート(約6メートル)以上遠くを、20秒間見る、というシンプルな習慣です。遠くを見ることで目のピント調節筋がリラックスし、眼精疲労の蓄積を防ぐことができます。仕事の合間にも取り入れやすい方法ですので、ぜひ意識してみてください。
睡眠の質を上げるために最も効果的な方法のひとつが、就寝1時間前にはスマホの使用をやめることです。難しい場合はまず30分から始めてみましょう。スマホの代わりに軽いストレッチをしたり、本を読んだり、ゆっくりお風呂に入るなど、副交感神経を高める行動を意識的に取り入れることで、体が自然に眠りの準備を整えてくれます。端末の画面をナイトモードや暖色系の表示に切り替えることも一定の効果があります。
長時間スマホを使った後は、首・肩・背中のセルフケアを意識的に行うことが大切です。首をゆっくり左右に傾けてストレッチする、肩をゆっくり前後に大きく回す、胸を張って肩甲骨を寄せる動作を繰り返すといった簡単なものでも、毎日続けることで筋肉の緊張をほぐし血流を促す効果があります。30分に1回は立ち上がって体を動かす習慣も非常に有効です。
日常的なセルフケアを続けることはとても大切です。ただ、すでに慢性的な首こりや頭痛、しびれ、睡眠障害などの症状が出ている場合、セルフケアだけでは根本的な改善が難しいケースがあります。
私が30年以上の臨床経験で感じることは、「なんとなく不調が続いている」状態を長く放置するほど、体の回復に時間がかかるということです。首の関節の可動制限や筋肉のスパズム(痙攣状の緊張)、骨盤や脊椎のアライメントの乱れは、自覚症状がなくても体の中で静かに進行していることがあります。
当院では問診・姿勢検査・整形外科的検査など複数の検査を組み合わせて、症状の根本的な原因を丁寧に探っていきます。「スマホで体がおかしくなったかも」と感じているなら、まず一度ご相談ください。痛みを我慢し続けることにメリットはひとつもありません。あなたの体が本来の状態を取り戻せるよう、全力でサポートいたします。